子どもの下痢★小児科ナースが教えるホームケア from アメリカ★


赤ちゃんや子どもが下痢をするとびっくりしてしまいますよね。
そもそも下痢ってどんなウンチを言うのでしょうか。
下痢にはいくつか種類があり、対処法もあります。
ここでは子どもが下痢をした時のケアについてお話します。
目次
子どもの下痢とは
下痢と言ってもそのレベルは様々です。
水様便(水っぽいウンチ)、泥状便(でろっとした泥のようなウンチ)、軟便(やわらかいウンチ)すべてを「下痢」と言いますが、医療者は上記のようにウンチの状態を分けて記録しています。もし受診する際には、どのレベルなのかを伝えられると、医療者はイメージをつけやすいです。
子どもの下痢の主な原因
原因は多岐にわたりますが、消化不良やウィルス・細菌感染による胃腸炎、薬剤による影響、乳糖不耐症や何らかの先天性疾患などが考えられます。

受診の目安
軽度の下痢で元気があれば、自宅で様子をみていて構いません。
下記に当てはまる場合には受診をおすすめします。
①便の中に血液が混ざっている
便に血液が混入する要因は様々です。慌てる必要はありませんが、血液の性状によって重篤な疾患が隠れている可能性もあります。写真を撮っておき、診察時に見せてもよいでしょう。(便を持参する方もいますが、病院によっては感染対策上断られます。また、持参した便は乾燥して検査に出すこともできない可能性もあります。)
②便の色が白っぽい
母子手帳の中に、便色カードが入っているのを目にしたことがあると思います。下痢に限らず白っぽい便は胆道閉鎖症の可能性があります。他にも感染性胃腸炎の際にも白っぽくなることもあります。母子手帳の便色カードを参照し、白っぽい便が出たときには、写真に撮って受診時に持参しましょう。
③おしっこが少ない
オムツをしている子どもが下痢をすると、尿と便が混ざって尿の状態がわからなくなることが多くあります。しかし、尿の量は下痢による脱水状態をみるために重要な指標です。できる限り観察をして、下痢とともに尿が少なければ脱水を疑い、受診することが必要です。
④1週間以上、下痢がつづいている
ホームケアを行っても下痢がおさまらない、軽快しない場合には受診しましょう。何かしらの疾患が隠れている可能性もあります。
⑤下痢以外の症状もある
嘔吐が何度もある、激しい腹痛がある、38.5度以上の高熱が出ている、ぐったりしているといった症状がある場合には受診しましょう。嘔吐が頻繁にある場合には、夜間や休日でも早急に受診した方がよいでしょう。

子どもが下痢をしているときのホームケア
観察
まずはしっかり子どもの状態を観察しましょう。排便回数、性状、量、色、におい、混入物がないかなど、便そのものをよく観察します。さらに、機嫌や活気、食事の摂取量・哺乳量、嘔吐や腹痛、おしっこの量など、下痢以外の症状がないかも観察しましょう。
水分・栄養摂取
下痢による脱水を予防するために、水分や消化の良い食べ物を与えましょう。水分を吐き戻してしまう場合には、すぐに受診しましょう。下痢や嘔吐による電解質の乱れを修正するために、水分は子ども用の経口補水液がおすすめです。
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おしりの清潔
下痢による皮膚トラブルの予防が大切です。詳細は「おむつかぶれ」、「子どものお肌のケア」を参照してください。清潔を保つ必要があるとはいえ、下痢便が出るたびに洗浄するのはやめてください。
感染予防
感染性胃腸炎である場合、家族中に感染が拡がってしまうことがよくあります。便に直接触れないよう、オムツ交換やトイレの介助時には手袋を使用する、オムツは2重のビニール袋に捨てる、タオルは共用にしないなどの感染対策が必要です。ウィルスによってはアルコール消毒も無効なので、手洗いを徹底しましょう。
✓子どもが下痢をしているときのナーシングポイント
- 無理に食事をする必要はありません。嘔吐がなく食欲があれば、消化のよいものを少量からあげましょう。
- 下痢や嘔吐によって体内の電解質が乱れます。水分は経口補水液を優先にしましょう。
- 胃腸炎関連の痙攣が誘発されることがあります。生後6か月から3歳、胃腸炎発症後3日目が好発とされています。全身状態をしっかり観察しましょう。すぐに収まる痙攣がほとんどですが、心配であれば受診しましょう。
- 下痢はウィルスの排泄のために起こっています。自己判断で下痢止め薬を飲ませると、ウィルスが排泄せずに状態が悪化する可能性がありますので、内服は医師の指示に必ず従ってください。病院では下痢止めではなく整腸剤(おなかの調子を整える薬)を処方されることがほとんどです。
まとめ
- 下痢の要因は様々ですが、受診の目安に沿って、心配であれば受診をしましょう
- 下痢の際には脱水に注意し、経口補水液で水分摂取をさせましょう。
- 便そのものと全身状態の観察がとても重要です。
- 下痢止めの薬を自己判断で投与することは決してしないでください。
- 下痢によりお尻の皮膚トラブルが生じてしまったらすぐに対処しましょう(おむつかぶれ参照)

ロタウィルスによる胃腸炎は予防接種で防げる病気です。乳児にとっての胃腸炎は脱水や痙攣のリスクもあります。たかが胃腸炎、たかが下痢と侮れません。脱水や痙攣は重症化することもあり、入院治療を要することもあります。その場合には点滴治療による苦痛を与えることにもなります。以前はロタウィルスの予防接種は任意であり、自費での接種でしたが、近年は努力義務となり公費で賄われます。欧米ではずっと以前から義務接種の対象です。怖がらずに予防接種を受けさせてあげることが、後に子どもに苦痛を与えない選択ともなると思います。

