子どものお肌のケア~皮膚トラブルのケアと日常ケア~★小児科ナースが教えるホームケア from アメリカ

NURSE MAMA

子どもの皮膚トラブルは、大人が思うよりも様々なリスクを引き起こすため、放っておいてはいけない症状のひとつです。

特に私の住むカリフォルニアは乾燥がひどく、子どもの皮膚が荒れやすいと感じています。

ここでは、子どもの皮膚が荒れてしまったときのケアや、皮膚トラブルを起こさないための日常的なケアをお伝えします。

目次

子どもの皮膚トラブルとは

子どもの皮膚トラブルでは、あせも・おむつかぶれ・乾燥肌・虫刺されによる炎症・とびひ・アトピー性皮膚炎など様々なものがあります。肌の乾燥が酷くなると湿疹が出る「乾燥性湿疹」もみられることがあります。

子どもの皮膚トラブルの原因

子どもの皮膚の原因や特徴については他のサイトで多く解説されていますので、詳細は割愛します。簡単にまとめると、子どもの皮膚は、角質層が薄いため保湿機能が未熟であり、また皮膚のバリア機能も未熟なため、皮膚トラブルを起こしやすいと言われています。生後3か月くらいまでは皮脂の分泌物が多いため湿疹になりやすく、その後は思春期頃まで皮脂が減少して乾燥肌になりすくなります。また、保湿のためにと使用したクリームなどが合わずに皮膚トラブルへと発展してしまうこともあります。

受診の目安

かゆみがひどく、掻き壊してしまう、眠れない、湿疹部がジュクジュクしているという時には、受診した方がよいでしょう。また、赤みが酷い場合にはアトピー性皮膚炎との鑑別も必要であるため、受診をした方がよいでしょう。

皮膚トラブルで受診する際のポイント

  • 小児科か皮膚科、どちらに行くか迷ったら、、、まずは小児科へ行ってみましょう。
  • 小児科ではできない処置が必要な場合は皮膚科へ紹介してくれます。
  • 小児科の中でも、アレルギー専門医を持っている小児専門医(「アレルギー科」も標榜している小児科)を選ぶとなお良いです。(アトピー性皮膚炎との鑑別が適切で、皮膚ケアに力を入れている場合が多いからです)
  • 受診すると、ステロイド薬が処方されることがあります。ステロイドに抵抗がある方も多いと思いますが、医師の判断のもと適切に使用すれば全く問題はありません。むしろ、悪化した皮膚トラブルは薬剤でしっかりと治し、その後に保湿と保護を行うことが重要です。 
    • 以前、アトピー性皮膚炎で受診した子が、受診の度に皮膚の状態が悪化していきました。実はステロイドに否定的なご両親が医師の処方したステロイド薬を使用せずに民間療法のみ行っていました。その結果、その子の肌は尋常ではない酷い状態となり、入院加療を必要とするまでになりました。ご両親にとってはお子さんのことを思っての行為であったと思いますが、これは医療ネグレクト(適切な医療を受けさせないことによる虐待)のひとつと捉えられました。

子どもの皮膚のケア

子どもの皮膚にとって大切なことは、①清潔 ②正しい洗浄 ③保湿 ④保護 です。

①清潔

常に皮膚や衣類が清潔であるように、汗を掻いたら拭く、着替える、入浴・シャワー浴で清潔を保つことを意識してください。また、寝具や洋服の清潔も大切です。おしゃれでかわいい寝具や洋服よりも、洗いやすく、良質な綿によるものを選んでしてあげてください。また、洗剤や柔軟剤へ反応して皮膚トラブルを起こす赤ちゃんも多くいます。新生児期には無添加の新生児用洗剤を使用し、柔軟剤は使用しないことをおススメします。どうしても使用したい場合は蛍光剤無添加のものを選んでみてください。

②正しい洗浄

正しい洗い方をしっていますか?子どもに限ったことではないですが、実は洗い方がとても大事なんです。皮膚の汚れはによって取れます。しっかりとした泡で包み込むように優しく洗うことが大切です。

正しい洗い方や泡石鹸の作り方は、こちらの動画がとてもわかりやすいです。

③保湿・保護

必要に応じてクリームや軟膏で保湿を行います。日常ケアとして、毎日保湿クリームは塗ってあげましょう。クリームの塗り方はこちらの動画がとてもわかりやすいです。オムツかぶれに対しては、こちら(オムツかぶれ)を参照してください。

保湿クリームに関して、特に乳児の場合はパッチテスト(足などに少し塗ってみて問題なければ広範囲に使用する)を行うと良いです。肌に合わない保湿剤を使用してしまうと、逆に皮膚トラブルを招くこととなります。

私が子どもに使用するクリームや石鹸を選ぶ際には、防腐剤や香料など余計な添加物が入っていないものを選んでいます。

♪アメリカではバニクリームが良さそうです。
日常使いに良いと思います♪
♪バニクリームは余計な添加物が含まれていません♪
♪for babyもあります♪

子どもの皮膚ケアのナーシングポイント

  • 洗浄時にはタオルでこするよりも、泡を使って手で優しく洗ってあげましょう。
  • 昔はあせもなどに「ベビーパウダー」を使用していましたが、パウダーは肌に必要な油分も吸収してしまうため、推奨しません。ともかく「保湿」が大切です。
  • 軟膏やクリームは手でしっかりと塗りこむのではなく、ぽんぽんと置くイメージです。塗りこんでしまうと、湿疹の溝に溜まってしまい、湿疹の表面につかなくなってしまいます。
  • 保湿剤は入浴後すぐ(5分以内!)に塗ってあげましょう。時間が経つにつれて、乾燥がすすみます。衣類を着る前に塗るといいです。
  • クリームを選ぶ際には、余計な成分が含まれていないものを選び、パッチテストを行ってから使用しましょう。

まとめ

  • 皮膚トラブルがあってもなくても、大切なことは①清潔 ②正しい洗浄 ③保湿 ④保護です。
  • 洗浄はしっかりとした泡が重要です
  • 保湿剤は入浴後すぐ、5分以内に塗ることが大切です。
  • 保湿剤はパッチテストを行ってから使用しましょう。
  • 毎日の皮膚ケアで乾燥肌を防ぐことをまずは目指しましょう。

NURSE MAMA

皮膚トラブルを予防するには、日々のケアがとても重要です。特に乾燥肌は、様々な皮膚トラブルの要因となります。また乳児期の皮膚トラブルは、食物アレルギーの要因ともなります。「たかが肌荒れ、されど肌荒れ」です!!

ベイエリア(クパチーノ周辺)の方には訪問育児支援を行っています。

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