子どもの低身長★小児科ナースが教えるホームケア from アメリカ★

NURSE MAMA

お子さんが他の子と比較して小さいかな?と心配になることはありませんか?小学生くらいになると、子ども自身が気にし始めることもありますね。どの程度を低身長というのか、受診が必要となるのはどのような場合なのか、またお家でできる身長を伸ばすためのケアをお話しますね。

目次

低身長とは

身長や発育は子どもによって様々です。病気として捉えられるものとそうでないものがあります。

母子手帳に成長曲線が載っているのを見たことがあると思います。

成長曲線では、基準範囲(標準範囲)とされる-2.0SDから +2.0SDの間に約95%の子どもが含まれます。基本的に低身長は、-2.0SDから大きく下がっている場合に言われます。

日本小児内分泌学会HPより

低身長の主な原因

低身長の原因は、両親も背が低いなどの遺伝や体質によるものが多くあります。しかし、成長ホルモンの分泌がない染色体疾患や骨の病気などが隠れている場合もあります。また、小さく生まれた場合にも、その後の身長の伸びが遅い場合もあります。

受診の目安

受診の目安は、大きく分けて下記の2点になります。

  • 成長曲線で-2.0SD以下
  • 身長の伸びが悪い
日本小児内分泌学会HPより

低身長が気になるときのホームケア

食事

1日3回バランスの良い食事を摂りましょう。

体重が標準より少ない場合は特に、体重増加をまずは目指しましょう。

骨の成長にはカルシウムが重要ですが、カルシウムが働くためにはビタミンDが欠かせません。筋肉の成長にはたんぱく質も必要です。そのほかミネラルも大切です。

身長を伸ばすためだけではなく、子どもの成長には、何かを偏って摂取するのではなく、バランスが大切です。

睡眠

近年、子どもの就寝時間が遅くなっていることが問題になっています。ご存じの通り、夜間の睡眠中に成長ホルモンは分泌されます。睡眠時間の確保とともに睡眠の質の向上も大切です。イビキがひどかったり口呼吸をしている場合、良質な睡眠がとれていない可能性もあります。低身長でかつ睡眠の質が心配な場合には、耳鼻科などを受診してみるといいでしょう。

運動

身長を伸ばすためには適度な運動も大切です。バレーボールやバスケットボールなどジャンプするスポーツはもちろんですが、本人がやりたいと思うものであればなんでも大丈夫です。適度に運動を取り入れる習慣をつけましょう。

低身長が気になるときのナーシングポイント

  • 普段の食事を見直すことで、成長に必要な栄養は十分に確保できます。効果の薄い怪しいサプリメントなどには手を出さないようにしましょうね。
  • 早寝早起きの習慣を身につけるようにしましょう。睡眠の質を確保するためにも、ぐっすり眠れている状況か見てあげてください。
  • 身長を伸ばすには親の愛情も重要であると言われています。たくさんの愛情を注いであげることは、今日からすぐにでもできますね。
  • アメリカでは、年齢によりますが日本とは異なる発達曲線を一般的に使います。両親が日本人である場合には日本で用いられている成長曲線の方が合うかもしれません。

まとめ

  • 身長を伸ばすためには食事・睡眠・運動が必要です。
  • 食事は栄養をバランスよく摂れるように目指しましょう。
  • 低身長の治療は3歳以降から可能だと言われています。成長が止まってからでは手遅れとなってしまいます。早めの治療が重要ですので、心配であれば受診をしましょう。

NURSE MAMA

心配しているだけでは解決しません。自分でできるホームケアを行っても効果が見られない場合は小児科へ相談しましょう。できれば、小児内分泌を専門としている医師を紹介してもらうといいですよ。

ベイエリア(クパチーノ周辺)の方には訪問育児支援を行っています。